リップル社とXRPの違いとは?混同しやすい2つの関係を整理
リップルとXRPって同じじゃないの?違いとかあるのかなぁ?
こんな疑問を解決します。
記事の内容
- リップル社(Ripple Labs)とXRPの基礎
- リップルとXRPの違いについて
- まとめ
2017年から暗号資産投資歴8年になる現役リップラーの僕が、よく間違われやすいリップルとXRPの違いについてわかりやすく解説します。
リップル社(RippleLabs)とは?
企業概要と歴史
リップル社は、お金のやりとりを「速く・安く・簡単に」するための技術を作っている会社です。
昔から、お金を外国に送るには時間がかかりました。たとえば、日本からアメリカにお金を送ると、3日〜5日くらいかかることもあり、しかも手数料が高いです。
リップル社は、こうした問題を解決するために、「XRP(エックスアールピー)」というデジタル通貨を使って、数秒で国際送金できる技術を作りました。
方法 | 送金時間 | 手数料 |
銀行の国際送金 | 数日 | 高い(数千円) |
リップル社の技術 | 数秒 | 安い(数十円) |
リップル社のやっていることを「乗り物」に例えてみましょう。昔の銀行送金が電車だとすれば、リップル社の送金は新幹線です。
つまり、リップル社は「世界中のお金のやりとりを、スマホでメッセージを送るように簡単にしたい!」という夢を持っている会社なんです。
この考え方がわかると、XRPという通貨がただの投資対象ではなく、未来のお金の仕組みを支える大事なピースだということに気づくことができるはず。
続いて、リップル社の歴史ですが「どうやって世界の送金ルールを変えようとしたか」というストーリーについてお話しします。
リップル社は、2012年にアメリカで誕生しました。
当時は、「ビットコイン」が話題になっていましたが、リップル社は送金の速さと安定性を武器に世界中にアピールしました。
その後、たくさんの銀行や企業がリップルの技術に注目し、日本ではSBIホールディングスと提携して、アジアにも進出しています。
年 | 出来事 |
2012年 | リップル社(Ripple Labs)設立 |
2013年 | XRPを使った送金システムを公開 |
2016年 | 日本のSBIと合弁会社を設立 |
2020〜 | 米SECとの裁判が話題に(現在は和解に向けて進展) |
リップル社の歴史は、新しい交通ルールを作る会社のようなものです。
- 今までは、古い道しかなかった(銀行の送金システム)
- リップル社は、新しく速いハイウェイを作った(XRPを使った送金技術)
- 最初は反対もあったけど、今では多くの車(企業や銀行)が使い始めている
XRPに投資するだけじゃなく、その背景にある物語を知ると、もっとワクワクして、未来に期待が持てるようになるはず。
提供する決済ネットワーク(RippleNet)の概要
RippleNet(リップルネット)は、世界中のお金のやりとりを速く・安く・安全にするネットワークです。
✅ 送金スピードが爆速(数秒〜数分)
✅ 手数料がとても安い
✅ 24時間365日いつでも使える
✅ 世界中の銀行とつながっている
今までの国際送金(外国にお金を送ること)は、時間がかかって手数料も高かった。でもRippleNetは、それをたった数秒・数十円でできるようにするしくみなんです。
アメリカ、日本、イギリスなど世界55カ国以上の300以上の金融機関(※Ripple社発表)がRippleNetを使っています。
RippleNetは、世界中のお金のやりとりを「LINEみたいに速く、しかも安く」する技術なんです。
XRPとは?
暗号資産としての基本情報(発行上限・時価総額など)
XRPは、「数が決まっていて増えない」「すばやく送金できる」「電気もあまり使わない」という特別な特徴を持った暗号資産です。
他の有名な暗号資産と比べてみると、XRPには以下のような特徴があります。
▶ XRPの基本情報(2024年時点)
項目 | XRP | BTC | ETH |
発行上限 | 1,000億枚(固定) | 2,100万枚(固定) | 上限なし(増え続ける) |
発行方法 | 最初から全て発行済み | マイニングで少しずつ増える | 一部が発行 |
管理者 | Ripple社が保有管理 | 誰も管理してない(分散型) | 開発者チーム |
送金スピード | 3〜5秒で送金完了 | 数十分〜1時間 | 数分 |
手数料 | 数円レベル(超安い) | 数百〜数千円 | 状況により変動 |
✅ 発行上限:1,000億枚(それ以上は絶対に増えない)
✅ 送金スピード:約3〜5秒で完了
✅ 手数料がとても安い(数円レベル)
✅ Ripple社がルールを守りながら管理している
✅ エネルギー効率がよくて環境にもやさしい
XRPは、「決まった数しかない」「使いやすい」「安心して送れる」暗号資産です。
ビットコインやイーサリアムとは違う“ルールと目的”で作られているからこそ、これからの実用的な使い道に期待されている通貨なんです。
XRP Ledger(分散台帳技術)の特徴と仕組み
XRP Ledger(エックスアールピー・レジャー)とは、「とても速くて、安くて、地球にもやさしい送金システム」のことです。
XRP Ledgerがすごい理由は、次の3つです。
特徴 | 内容 | 補足・根拠 |
速い | たった3〜5秒で送金が終わる | Bitcoinは10分以上かかる |
安い | 手数料が1円以下で送れることもある | ETHは数百円かかる |
エコ | 電気をほとんど使わない | UNL方式、マイニング不要 |
- Ripple社の公式データ(2024年)によると、XRP Ledgerは「1秒間に1500件以上の取引」を処理できます。
- 米エネルギー省の報告では、ビットコインの年間電力使用量は国ひとつ分とも言われています(例:アルゼンチン)。
一方、XRP Ledgerはその1万分の1以下の消費電力とも推定されています。
ビットコインが「トロくて電気をいっぱい使うゾウさんの配達」だとしたらXRP Ledgerは「シュッと走るエコな電動バイク便」みたいなものです。目的地に早く着いて、料金も安くて、しかも空気も汚さないなんて…すごすぎですね。
Ripple(会社)とXRP(通貨)の違い
企業と資産の役割・性質の違い
RippleとXRPは、名前は似ているけど「まったく別のもの」です。
名前 | 正体 | 何をしている | |
Ripple | アメリカの会社 | 銀行や送金の仕組みを便利にするサービスをつくっている。 | |
XRP | デジタル通貨 | リップルの仕組みの中でお金を送る為に使われる。 |
- Ripple社は2012年設立のアメリカ企業で、銀行間送金ネットワーク「RippleNet」を提供(公式サイトより)。
- XRPはRippleが最初に作ったけど、今はRippleだけのものではなく、だれでも使える「オープンな資産」(XRP Ledger公式より)。
- Ripple社がXRP全体の中で持っている割合は2024年時点で約50%未満(Ripple社の透明性レポートより)で、完全な管理者ではないとされています。
RippleとXRPは、「作った人と、使われる道具」のような関係です。
名前は似てるけど、役割はぜんぜん違うことがわかりましたね。
公的見解:「違い」についての公式声明
Ripple社は、公式に何度も「XRPはRippleが発行したものではなく、分散型で誰でも使えるもの」だと説明しています。
項目 | 内容 |
Ripple社の公式見解 | 「RippleはXRP Ledgerを管理しておらず、XRPはオープンで誰でも使える資産である」出典:Ripple公式ブログ、裁判資料 |
アメリカSECとの裁判結果(2023) | 個人投資家向け販売においてXRPは証券ではないという判決 |
XRP Ledgerの構造 | 誰でも使えるオープンなネットワークであり、Ripple社はコントロールしていない |
このように、公式にも法的にも「Ripple ≠ XRP」とはっきり示されています。
たとえるならば、Rippleは「ゲームを作った会社」でXRPはそのゲームの中で使える「コイン」。
ゲーム会社はコインの仕組みを作ったけど、コインはゲームの中で誰でも使える。
そして、コインの価値は、ゲームをする人が多いほど高くなる。
でも、そのコインを誰がどう使うかを、ゲーム会社が全部決めてるわけじゃないよね。
日本での呼称混同と社側の表記要請
日本では、「Rippleを買った」とか「リップルが値上がりした」といった表現がよく使われていますが、これは正しくは“XRP”のことを指しています。
- Ripple社は**「Rippleは会社名、XRPは通貨名です」と公式に発表**しています(※Ripple社の広報資料や日本の取引所への表記修正依頼など)。
- 2018年にはRipple社が、日本の仮想通貨取引所に対し「XRPと正しく表記してほしい」と要請していたことも報道されました(出典:CoinPostなど)。
つまり、「リップル」とだけ言ってしまうと、会社のことなのか通貨のことなのか、まちがって伝わってしまうんです。
たとえるなら、「任天堂が値上がりした!」と言っていたらどう思いますか?
本当は「任天堂のゲームソフト(たとえばスプラトゥーン)が人気で高く売れてる」かもしれませんよね?
この場合、「会社」と「商品」がごっちゃになっている状態です。
RippleとXRPも、それと同じ。
**会社(Ripple)と通貨(XRP)**は、ちゃんと分けて考えたほうが正しく伝わります。
技術的な違いと関係性
リップルネット(RippleNet)とXRP Ledgerの連携
Ripple社は公式にこう発表しています。
項目 | 内容 |
RippleNetとは? | 銀行や送金業者が安全かつ高速にお金を送る為のネットワーク(企業向け)のこと |
XRP Ledgerとは? | 世界中の誰でも使える分散型の台帳(お金の記録帳)とその技術のこと |
関係性は? | RippleNetは必要な時だけXRP Ledgerを使用できる(XRPの使用は必須では無い) |
出典 | Ripple公式ブログ、RippleNet and XRP Ledger: Clarifying the Relationship2020 |
このように、RippleNetの中ではXRPを使う場合もあるけど、いつも使うわけではないというのが、Ripple社の正式な立場です。
RippleNetとXRP Ledgerはべつのもの。でも、XRPを使えば、もっとスピーディーに送金できるオプションがある。それが、Ripple社の公式な説明です。
承認アルゴリズム/Proof of Consensus(RPCA)
RPCA(Proof of Consensus)は、みんなで話し合って取引を決める「やさしくて速い仕組み」のことです。
ビットコインやイーサリアムなどと違い、XRP Ledgerはマイニング(大量の電気を使う作業)をしません。その代わりに使われているのが、「RPCA」という方法です。
RPCAの特徴 | 内容 |
とにかく速い | 取引の承認にかかる時間は約3〜5秒 |
電気をほとんど使わない | マイニングがないから環境に優しい |
信頼できるノード同士で合意 | UNLという信頼できるメンバーのリストが取引をチェックし合う仕組み |
出典 | Ripple社公式ブログ、The Consensus Process on the XRP Ledgerなど |
RPCAでは、特定の信頼されたメンバーたち(ノード)が、毎回「この取引でいいよね?」と確認し合い、80%以上が「OK」と言えば成立します。このやり方は、速くて、ムダな電気も使わず、とてもスマートです。
たとえるなら、ビットコインの仕組みは、「誰が一番先に答えを出せるか競争するテスト」みたいなもの(時間がかかるし、体力も必要)。
でもRPCAは、「クラスのみんなで手を挙げて、多数決で決める方法」に似ています。競争じゃなくて、協力で決める方法なんだね!
XRPのユースケース:ブリッジ通貨などの役割
XRPは、いろいろな通貨を「つなぐための橋(ブリッジ)」として使われる、とても便利な通貨です。
ふつう、外国にお金を送るときには、手数料が高くて時間もかかります。それは、通貨と通貨の間に「直接のつながり」がないことが多いからです。でも、XRPを「中継役(ブリッジ通貨)」にすると、こんなメリットがあります
特徴 | 説明 |
通貨の橋渡し | 例えば日本円→XRP→メキシコペソと送ることで通貨同士を繋げることができます |
手数料が安い | 銀行を通すよりもコストが大幅に下がる(数円〜数十円の手数料) |
とても速い | 数秒〜数十秒で送金完了(Bitcoinなどよりも圧倒的に速い) |
出典 | Ripple社公式サイト、ODL紹介ページ |
Ripple社は公式に「XRPは国際送金をすばやく安くするブリッジ通貨として作られた」と何度も説明しています。
たとえるなら、あなたが日本にいて、アメリカの友達におこづかいを送りたいとします。
でも、日本円とアメリカドルは“直接つながっていない橋”だとしたら、ぐるっと遠回りして渡さなきゃいけません。そこで登場するのがXRPという“ジャンプ台”のような橋!日本円 → XRP → アメリカドル。このようにジャンプすれば、早くて安くてスムーズにお金が届くんです。
まとめ
リップル社とXRPは、名前が似ているため混同されがちですが、実は明確な違いがあります。
リップル社(Ripple社)はアメリカに本社を置くフィンテック企業で、国際送金をより早く、安く、そして安全に行うためのシステム「RippleNet」を提供しています。
一方、XRPはそのネットワーク上で使われる暗号資産(仮想通貨)で、ブリッジ通貨(中継役)としての役割を果たします。
つまり、「リップル社=企業」、「XRP=通貨」と考えると理解しやすいでしょう。
この関係性を正しく理解しておくことは、XRPへの投資判断だけでなく、仮想通貨全体への見通しを持つ上でも大きな意味があります。特にリップル社の動向や規制に関するニュースは、XRPの価格に大きく影響するため、切り分けて捉える力が必要です。
混乱しやすい情報社会だからこそ、暗号資産に対する学びを深め、自信を持って投資していきましょう。
これでおしまいです。
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